こんにちは。ジャーマン次郎です。
皆さん、旅行はお好きでしょうか?日本からヨーロッパにご旅行される方、ヨーロッパ圏内をご旅行される方は是非ご一読ください。
皆様はこのような経験をされたことはございませんでしょうか?
せっかくの旅行でこのような状況になるのは非常に残念ですよね?
こういった状況に対して、EUでは、EU261法というものが存在し、航空機の遅延、欠航、搭乗拒否が発生した場合に、搭乗者に対して現金補償をしなければならないという法律が定められています。
この法律により、このようなイラ立ちに対して少しでも溜飲を下げていただければと思い、本記事を書いています。
本記事では、航空機の遅延、欠航、搭乗拒否が発生した場合の現金補償が受けられる条件と、その申請方法を紹介しています。
補償を受け取れる条件
出発地・到着地・航空会社の条件
このEU261法によって補償が受けられるフライトは、
- EU内を出発し、EU内に到着する全フライト
- EU内を出発し、EU外に向かう全フライト
- EU外を出発し、EU内に向かう、ヨーロッパを拠点とする航空会社のフライト
です。
具体例を挙げると、
・フランクフルトからパリに向かうユーロウィングのフライト:対象
・フランクフルトから羽田に向かうANAのフライト:対象
・羽田からフランクフルトに向かうルフトハンザのフライト:対象
・羽田からフランクフルトに向かうANAのフライト:対象外
という感じです。
乗客の条件
補償の対象者は
- 有料で航空券を購入した乗客
- 事前に予約を確認している乗客
- 出発時刻の45分前までにチェックインを済ませている乗客
遅延等フライトの条件
対象の条件は
- オーバーブッキングなどによる航空会社の都合による搭乗拒否
- 航空機の遅延
- 航空機の欠航(14日以上前に通知された場合を除く)
となっています。ただし、天候によるフライトの欠航・遅延、ストライキ、テロ等による特別な状況は対象外になります。
目的地到着の遅延時間の条件
遅延時間に関しては、フライトの距離によって異なり、また補償金額もそれに準じて異なっています。まとめると以下の通り。
- 1500km未満のフライトで2時間以上の遅延の場合:250ユーロ
- 1500~3500kmのフライトで3時間以上の遅延の場合:400ユーロ
- 3500km以上のフライトで4時間以上の遅延の場合:600ユーロ(3~4時間遅延の場合は300ユーロ)
こちらは、予約したチケットのクラスには関わらず、定額になっています。
※2024年の後半から、トルコでもEU261法に似た独自の航空旅客補償規則を導入し、乗客の権利保護を強化しています。これにより、トルコを拠点とする航空会社のトルコ発のフライトにおいて、遅延や欠航が発生した場合に最大600ユーロ(約500ポンド)までの金銭的補償が提供されるようになりました。
補償の請求方法
本権利を適用させるためには、航空会社に対して、補償の請求を行う必要があります。当然ANAやJAL等の日本拠点の航空会社以外の場合は、英語でやり取りをする必要があります。
ここでは2種類の方法を紹介します。1つは難しくて手間はかかるけど補償額は大きい、もう一つは補償額は減ってしまうが手間が一切かからない、と言ったところでしょうか。
自分で航空会社に補償請求を行う
1つ目の方法は、自分で航空会社に補償請求を行うです。航空会社によって方法は異なります。各ホームページで申請フォームがどこにあるか探すのが大変で、航空会社も大々的にやりたくないので分かりづらく設置してあることがほとんど。
検索ボックスがあるのであれば、”Passenger rights” と打つと、結構な割合でヒットします。Eurowingの場合は請求フォームからそのまま請求できそうだが、ルフトハンザの場合はかなり仰々しい消費者センター的なページに飛ばされ、申請フォームはわからず…
現状、請求できるようなフライトを持ってないので、申請フォームからどのように進むのか試せてません。
●メリット
- 請求が承認されれば、補償額全額が支払われる
●デメリット
- 請求するまでのハードルが高い
- 請求後も航空会社とのやり取りを全て自分でやらなければならない
代理申請会社に丸投げする
これらの保証請求を代理申請を行ってくれる会社があります。代表的なものにAirhelpなどがあります。
●メリット
- フライトの基本情報を入れれば、後は待つだけ
- 請求できるかどうか微妙な場合も、とりあえず申請できる
●デメリット
- 代理申請会社に手数料を取られる (補償請求成功時にのみ)
Airhelpで代理申請をする場合、成果報酬になっているので、たとえ申請したフライトで請求が通らなかった場合でも費用が発生することはありません。
フライト情報と搭乗者の基本情報、遅延・キャンセルの理由 (不明も可能)を入力するだけで、航空会社に対して現金補償の申請を行ってくれます。
デメリットとしては、本来受け取れる額の内、何%かが代理申請会社に差し引かれるという点です。
航空会社とのやり取りから現金の入金まで、全て請け負ってくれて、申請した後は、ステータスが更新されるのを待つだけの手間賃としては、納得感はあります。
Airhelpで申請したときの手順
Airhelpを例にして確認してみましょう
Step1
Airhelpのホームページにアクセスし、出発地と到着地の情報を入れてCheck Compensationをクリック。
※もしくはFast Check with boarding passから搭乗券をアップロード

Step2 フライト情報の入力
遅延や欠航があったフライトの便名、航空会社名、日付を入力。
乗り継ぎがあった場合は乗換地も入力します。
遅延時間や遅延理由(技術的問題、悪天候など)を選択します。わからない場合や航空会社から特に連絡がない場合は、『理由は説明されていない』を選択。
Step3 乗客情報の入力
パスポートと同じ表記で名前(First name、Last name)を入力します。
メールアドレスも入力し、利用規約などに同意します。
Step4 必要書類のアップロード
e-ticket(電子航空券)や搭乗券のコピー、予約番号(ブッキングナンバー)をアップロードします
Step5 申請して結果を待つ
申請が終わると、代理交渉が開始されます。私の過去の経験だと、だいたい2ヶ月位かかるイメージです。
過去、交渉が成功した時の状況はこんな感じです。

Step6 交渉が成功したら入金口座を連絡する
交渉の成功・失敗に関わらず、Airhelpから結果の連絡が入ります。交渉成功の場合は、入金口座を入力すると入金処理が開始されます。
Airhelpは日本の口座への入金も対応しているので、海外旅行での渡航者の方でも簡単に使えると思います。
過去、実際に代理交渉が成功した事例が以下の通りです。手数料はそれなりに掛かりますね。

また、申請期限は明確に明記されておらず、各国の法律に則っているようですが、ドイツでは最長3年まで遡って請求した事例もあるそうなので、試してみる価値はあるかもしれません。
まとめ
今回は【フライトが遅延・キャンセルした時に、最大600ユーロを航空会社から受け取る方法】を紹介しました。
個人的には、
・3500km以上のフライトで4時間以上の遅延の場合の600ユーロで、かつ家族全員分で金額が大きくなりそうな時は、頑張って申請フォームを探して自分で請求する。
・それ以外のパターンはAirhelpに丸投げしてしまう。
くらいの温度感がちょうどいいのかなと思います。
それでは、また次の記事で。


